社会人博士(工学)①

●社会人博士を目指す

 私は現在某電気メーカで研究を行っています。会社内ではドクターの割合は半分もいないですが、国際学会などに行くとなんとなく持っていないことに負い目を感じます。 高学歴ニートなどの話もあるように 日本ではあまり重要視されないように思います。一方、海外では博士かそうでないかでは扱いが全く違うという話を聞きます。博士を持っていない人間は博士の構想した研究の実務を行う人間という―1つレイヤーが下の扱いなのでしょうか?研究者としてこれからもやっていく以上取得しておきたいという気持ちが日増しに強くなってきました。

●まずは情報収集

 ”敵を知り己を知れば百戦危うからず”ということでいろいろ調べました。社会人ドクターを取得するパターンとしては

  1. 働きながら通う
  2. いったん会社を辞める

があるようです。

 1.の中でも会社の業務と関連がある場合や会社の制度を利用する場合は、会社からの援助や業務としてドクターの研究を行えるようです。あるいはしがらみがなく純粋に自分の研究したい分野を研究するために休日など仕事の合間を縫って研究する方もいました。このパターンは実験系よりは情報系の研究のほうが実現しやすいです。また、大学の先生との信頼関係も重要になってきます。

 2.は1.に比べハイリスクですが、私の先輩でこの方法でドクターを取得後別の企業に就職した方がいます。その方は収入は大きく上がったわけではないが、ドクター取得前にいた企業より自分の行いたい研究ができるようになったと言っていました。


●さて自分はどのパターンを選ぶのか?

 私はリスクが低い1にしました。そして会社が博士に出してくれそうな雰囲気でもないと思っていたため、土日や就業後の時間を利用して長いスパンで考えて取得しようと考えていました。しかし第3の選択肢があったのです!

「土日や定時後の空いた時間を利用して5年くらいかけてドクターを取りたい」と上司に相談しました。すると、上司自身が会社の業務として博士号を取得したため、仕事として博士課程に行った方が絶対に良いと強く勧めてくれました。私としても勧めてもらえるのであれば願ったりなので、そういう方向で進めることになりました。(結婚もしてるので仕事と研究ばかりしていたら家庭崩壊していたかも...)。ここで学んだのは自分がやりたいと思ったことはまず口に出して周りに相談してみるとよいということです(相手は選ばなければいけませんが…)。今回のように意外に協力的になってくれたりもしますし、自分自身の覚悟が付きます。

ということで

3.会社から博士課程に行かせてもらう

ことになりました。

●研究室選び

 研究内容についてあまり具体的なことは書けませんが、会社の制度を使う以上は業務で行っている研究をさらに発展させるような会社にメリットをもたらす研究を行っている研究室を選ぶ必要があります。また、本来の業務と絡めた研究にするとは言え、これまでの業務も0にできるわけではないので会社との距離なども考慮に入れました。

 目ぼしい研究室をいくつかピックアップした後は学会や実際にアポをとり、その研究室の先生と面会しました。話が前後しますがこの段階では上司に話していなかったので、具体的にいつ行けるかわからないが、見学させてほしいと言いました。大抵の先生は快く時間を割いてくださいました。感謝です!

 多くの研究室ではホームページで研究紹介をしていますが、実際に行ってみるとまたイメージが違う場合もあるので、見学は絶対に行ったほうが良いです。直接会うのが苦手な場合はオープンキャンパスなどの時に見るのもよいでしょう。

このようにして研究室を決めました。現状はここまでです。進展があり次第更新します。

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