光ファイバ

 光ファイバとは離れた場所に低損失で光の信号を伝送するケーブルです。光通信に使用され海底ケーブルを通じて全世界をつないでいる、インターネットを支えるインフラです。

Fig.1 海底ケーブル(Ref. PriMetrica, Inc.)

光ファイバの物理

光ファイバの物理まず思いつくのは下記です。

  1. 良い光ファイバとは(全反射、スネルの法則、NA)
  2. 光ファイバの種類(シングルモード、マルチモード)

1.良い光ファイバ?とは

良い光ファイバとはなんでしょうか?できるだけ光を広く受け、広く受けた光がしっかり外に漏れることなく伝搬するファイバではないでしょうか。これからFig.2に示す簡単なモデルでそのような条件を計算してみたいと思います。

Fig.2に光ファイバの構造を示します。空気中(屈折率=1)で左から入射した光をファイバで受ける図になっております。ファイバはコアとクラッドからなりコアの中を光が伝搬します。コアとクラッドの屈折率をそれぞれn1とn2とします。一般に光は屈折率の高いところを伝搬するため、光ファイバはn1>n2となるように作られています。よいファイバを作るためファイバが光を受けられる限界の角度θaで入射した光がファイバ内で伝搬(全反射)できる限界の角度θcとなるような設計にします。

 ファイバが光を受けられる限界の角度をθaとすると、ファイバの開口数(NA)は

$$NA=1・sinθa=sinθa \qquad (1)  $$

となります。NAが大きいほど光を集められるということになります。スネルの法則から

$$sinθa=n1 sinθc \qquad (2)$$

θcは屈折角が90°となることから、コアとクラッドにスネルの法則を適用すると

$$n1 sin(90°-θc) =n2 sin90° ⇔cosθc=n2/n1\qquad (3)$$

(1)-(3)から

$$NA = n1 sinθc = n1 \sqrt{1-(cosθc)^2}=n1 \sqrt{(1-(n2/n1)^2)}$$

$$NA = \sqrt{n1^2-n2^2} \qquad (4)$$

コアとクラッドの屈折率差でNAが決まります。

さて最初に”良いファイバとは” きるだけ光を広く受け、広く受けた光がしっかり外に漏れることなく全反射すると言いました。実際にはコア中の光の伝搬損失が低いことが重要で、かつ大陸間をつなぐような長いものを作らなければいけません。このような製造上の理由からn1とn2の比屈折率差は0.3-2%と小さく、光の結合部は光源側のNAを調整します。

Fig.2 光ファイバの構造

2.光ファイバの種類

 光ファイバには代表的なものとしてシングルモードファイバ(SMF)、マルチモードファイバ(MMF)があります。モードとはなんでしょうか?


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